ズボラ番長が行く

丁寧な暮らしを送りたいのにぐーたらしちゃう主婦の日々

フリーランスやギグワークスを始める前に見るべき映画「家族を想うとき」

★押忍★ズボラ番長です。始まりましたね2020年。

遅ればせながら皆さまにとって

良い1年になりますように!

そして、今年も宜しくお願いいたします。

 

 

さて、突然ですが…。

令和初の正月は消費税が10%になり、

例年よりじわりと出費が増えませんでしたか?

皆さんは楽しく過ごされましたか?

我が家では何ともわびしいですが

いつも買っているおせち料理を格下げしました。

普段なら正月から景気良くいけなった事に

ブツブツ言ってしまう私でしたが、

元日に、ある1本の映画を見たおかげで

そんなおせち料理をおいしく食べることができました。

(前振り長くてすいません)

 

 

その作品とは、

イギリスの映画監督ケン・ローンチ氏による

「家族を想うとき」です。

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劇場には本作に関する雑誌や新聞の切り抜きなどが貼られても見応えあり!

今って、何の特典もなしに映画見るなら

1,900円もかかるのねっ。

まずこれどうにかしないと映画文化廃れるよ。

だから、元日が映画の日だったこともあり、

夫婦で伏見ミリオン座まで足を運びました。

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移転リニューアルしたミリオン座。劇場の椅子の座面が若干軽いので要注意!

タイトルから連想すれば

心温まる家族の物語かと思いきや、

とてつもなく真逆です!!!!

 

 

ケン・ローンチ監督作品は初鑑賞でしたが、

これまで労働者階級や移民、貧困などの

社会問題をテーマにした作品を世に送り出してきて、

本作は引退を撤回してまで作りたかった渾身の作品です。

longride.jp

※ここからは、ネタバレを含むのでご注意※

 

あらすじは、イギリスに住む一家が主人公です。

家族の夢であるマイホーム購入を叶えるために

フランチャイズの宅配ドライバーになり

独立した父とパートタイムの介護福祉士で働く母。

そして、成績優秀な兄と妹の4人家族です。

 

 

父は、1日14時間週6日働き詰め。

母はというと、父の独立に当たり

仕事の足にしていた車を手放したことで、

遠く離れたお年寄りの家に通うにも

バスを使わなくてはならず、時間外労働が続く。

子どもとの連絡も

移動中に携帯の留守電にメッセージを入れるだけ…。

 

 

父の仕事は個人事業主とは名ばかりで、

配送の際の事故の保障は一切なし。

やむを得ない理由で仕事ができないと

ペナルティが課せられるなど、

理不尽なシステムによる過酷な労働条件に振り回されながら、

真面目に働くのですが、

家族とのコミュニケーションが薄れていく中で

息子の素行が悪くなり、

娘が夜におねしょをするようになったりと

少しずつ家族が崩れていき、

父の仕事もバランスが崩れていきます。

 

 

家族を幸せにするはずの仕事が、

どんどん家族との時間を奪っていき

大切なものを見失っていく…。

 

 

本当に最後まで報われないまま

映画は終わってしまいます。。。

幸せになりたい、ただそれだけなのに

どんどん蟻地獄のように、

不幸の深みにはまっていきます。

 

 

この家族が特に何か悪いことをしたわけでは

もちろんありません。

公式サイトではこう記されています。

グローバル経済が加速している今、

世界のあちこちで起きている

「働き方問題」と、

急激な時代の変化に翻弄される「現代家族の姿」だ。

 

 

主人公の家族はどちらかというと

下流の家族で

父ちゃん役の人は歯も抜けていて

びっしりタトゥーが腕に入っているのですが、

 

 

物語の後半になると

「F」から始まる汚い言葉が

頻繁に出てきて

精神的に追い詰められていく様子が

痛々しかった。

 

 

最後まで見事に笑顔もない、

ほとんど音楽もかからない。

見る者も家族と同じ目線になって

入りこめるのも、この映画の見どころです。

 

 

私が印象に残っているシーンは、

家族と一緒にいられない寂しさからか

だんだん素行が悪くなってくる息子が

父親と衝突するシーンです。

「家族のために頑張っているのに、

どうしてわからないんだ!!」と怒鳴る父に

 

 

息子は

「自分でそれを選んだのだろ。

自己責任だ」

みたいなことを言い放ちます。

 

 

出たっ、自己責任。

身につまされましたよ、この言葉に。

何せ、私がこの映画を見ようとした

きっかけは、今まではライター業と

レストランの接客バイトとWワークで

働いていたのですが、その両立が難しくなり

ライター業1本で働くことにしたからです。

 

 

フリーランスとして働く身としては

何か収穫があるかもしれないと、

意気勇んで鑑賞しましたが

「自由に働く=自己責任」

の文字が割と衝撃的に私にのしかかってきました。

 

 

2020年1月1日の日経MJによると、

過去東京五輪が行われた1964年は

終身雇用や年功序列が日本の雇用の形で

あったのに対し、2020年はフリーランス

働く人が1000万人を超え、

兼業、副業して働くことも容認されつつあります。

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こんなこと、さらりと楽しげなイラストで表現しないでほしいわ

 

さらには、最近では、フリーランスより

不安定な働き方(だと私は思う)

「ギグワークス」も登場してきました。

ギグワークスや必要な時に必要なだけ働く

自由で選べる働き方ですが

そういう雇用形態は保証が一切ありません。

 

 

 

この映画は、遠い外国の家族の話ではありません。

今の日本でも起こっても不思議ではないし、

現に起こっている状況です。

他人事ではなく自分事として

最後まで思い知らされたおかげで、

前出のおせち料理のありがたみが

増してわけであります。

 

 

始まったばかりの2020年。

「家族を想うとき」を通じて

世界中に蔓延している雇用の不安定感 

そして、グローバリゼーションがもたらす

格差社会の拡大がこれ以上広がらないことを

願って止みません。

 

 

金を持っている者だけが強い。

そんな世の中であってはなりません。

 

 

働く人すべての人が報われる

社会になるよう、願って止まないし、

自分も今の自分にできる仕事を邁進していこうと

この映画を見て思った次第です。

 

 

 

長々と熱く語ってしまいましたが、

「家族を想うとき」、全国で順次公開中です。

ぜひ、鑑賞して考えていただきたいです。

 

 

今日は、これにて! 

★押忍★